2010年03月26日

中井氏に厳重注意=平野官房長官(時事通信)

 平野博文官房長官は25日午後の記者会見で、中井洽国家公安委員長が知人の女性に衆院議員宿舎のカードキーを渡していたことについて、午前に中井氏に事情を聴取した際、「いろいろな疑いを持たれることだから、私事とはいえ、このようなことはないようにしてほしい」と厳重に注意したことを明らかにした。
 一方で、平野長官は「特に法的に(問題がある)ということはなかった」とも語った。 

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2010年03月23日

「何も言えなくて…」ハマった薬物乱用“アラ還”シンガーの孤独と苦悩(産経新聞)

【衝撃事件の核心】

 “アラ還の星”に何があったのか。90年代のヒット曲「何も言えなくて…夏」が再録されたCDが売り上げを伸ばすなど、還暦前後の世代(アラウンド還暦)を中心に再ブレークしつつあったロックバンド「JAYWALK」のボーカル、中村耕一容疑者(59)。折しも結成30周年の節目の年にベテランボーカリストが立たされたのは、ファンに埋め尽くされたコンサート会場ではなく、覚醒(かくせい)剤所持による逮捕という苦境だった。還暦を目前に発覚した薬物使用には、分別盛りの“大人”ならではの孤独と苦悩も垣間見える。(滝口亜希)

 ■1時間弱の押し問答 小物入れから白い粉

 その乗用車に気づいたのは、パトロールを専門とする警視庁第1自動車警ら隊、通称「1自ら」の隊員だった。

 今月9日未明の東京・西麻布の路上。昼夜を問わず多くの人でにぎわう繁華街である六本木地区とはいえ、路肩に停車したまま動く気配のない乗用車に、隊員は違和感を覚えた。

 中にいた男に事情を聴こうとしたが、男は電話などを理由に40〜50分間にわたって職務質問を拒否。助手席の足元に置かれた小物入れの中をあらためようとする隊員を、「恥ずかしいものが入っているから」と制止した。

 中から見つかったのは、白い粉末の入った2つの小袋だ。

 「歯医者にもらった薬です」

 粉末について男はこう説明したが、簡易鑑定の結果、覚醒剤であることが判明すると男は、「間違いありません」と覚醒剤所持を認めた。

 この男こそ、「JAYWALK」のボーカルの中村容疑者だった。

 警視庁麻布署は同日午前2時20分ごろ、覚醒剤約0・9グラムを所持していたとして、覚せい剤取締法違反(所持)の現行犯で中村容疑者を逮捕。練馬区内の自宅マンションを家宅捜索したところ、机の引き出しの中から微量の覚醒剤と大麻、コカイン、そして吸引具2個を発見した。

 薬物を小分けにする際などに使うとみられる複数のポリ袋も見つかった。

 吸引具は主に大麻を吸う際に使用されるキセル型のもので、大麻の破片が付着するなど、いずれも使用した形跡があった。さらに、逮捕直後に採取した中村容疑者の尿からは、覚醒剤の陽性反応が検出された。

 「いずれも自分が使うために持っていた。覚醒剤は1年ほど前から使うようになり、都内の路上で外国人から買った。使うときは1人だった」

 中村容疑者はこう供述しているという。

 ■「何も言えなくて」でレコ大、紅白…30周年を前に再ブレークも

 JAYWALKの前身である「J−WALK」が結成されたのは、今からちょうど30年前の昭和55年。「ルービック・キューブ」や「チョロQ」など、後に大ヒットするおもちゃが続々と発売された年で、独特のダンスを踊る若者「竹の子族」が東京・原宿の歩行者天国をにぎわした時期でもあった。

 翌56年にはアルバム「Jay Walk」でデビュー。メンバーの多くがスタジオミュージシャンとしての経験を持ち、実力派バンドとして演奏技術の高さに定評があった。

 平成3年に発売された「何も言えなくて…夏」で、その名を一躍世間に知らしめる。180万枚を超えるヒットとなり、日本レコード大賞ゴールドディスク賞を受賞。5年のNHK紅白歌合戦にも出場を果たした。

 音楽評論家の富沢一誠氏は、この当時について「デビュー当初は、“いいけど渋いよね”という典型的な実力派バンドだった。しかし、コンサートをこまめに行ってファンを増やしていく中で、『何も言えなくて…』がハマってボーンと人気が出た」と振り返る。

 17年には、バンド名の表記をJAYWALKに変更し、6人組バンドとして活動を続けてきた。近年では、「何も言えなくて…」が再録されたコンピレーションアルバム「R35」が中高年を中心に100万枚を超えるヒットとなるなど、再ブレークの兆しも出てきていた。それだけに富沢氏も「風が吹いてきた矢先にこんなことになって…。もったいない」と肩を落とす。

 結成30周年を迎える今年はシングルやアルバムが発売予定だったほか、5月からは全国ツアーも計画されていたが、中村容疑者の逮捕でいずれも中止に追い込まれた。すでに発売されたCDも回収が決まった。

 ■動機は「年取って疲れやすく」

 元俳優の押尾学被告(31)や元女優の酒井法子さん(39)、アイドルグループ「光GENJI」元メンバーの赤坂晃被告(36)…。薬物による芸能人の逮捕が相次ぐ中、分別盛りとも言える59歳はなぜ薬物に手を出してしまったのか。

 「正直、信じられない」。中村容疑者の逮捕を受けて、所属事務所「フリーウェイ」が9日夜に開いた会見。中村容疑者は、逮捕前日の8日午後11時半まで都内でレコーディングをしていたといい、知久悟司社長(63)はショックを隠さなかった。

 知久社長は芸能人の薬物報道があった際に薬物の使用の有無を2度尋ねたが、中村容疑者は「冗談じゃないですよ」と笑って応じたという。

 一方で、「兆候はなかったが、繊細な一面があるのは感じていた」とも。ここ1、2年は遅刻が多くなり、4、5時間も遅れることがあったといい、知久社長は「病気ではないかと心配していた」と明かした。

 捜査関係者によると、中村容疑者は覚醒剤を使い始めた動機について「年を取って疲れやすくなり、疲れを取るために使っていた」と供述。「粉末を飲み込む方法で覚醒剤を使用していたこともある」との趣旨の説明をしたという。

 日本では覚醒剤は通常、血管注射か火であぶって吸引する方法で使用するのが主流だ。注射やあぶりは使用直後に強い刺激が受けられる一方、経口摂取は効果が表れるまでに時間がかかる。

 中村容疑者の自宅にあった吸引具はいずれも大麻用のものとみられ、注射器などは見つかっていない。中村容疑者の腕には目立った注射痕がなかったことから、薬物問題に詳しい小森栄弁護士は「芸能人ということもあり、痕が残る方法を避けたのではないか」と分析する。

 また、自宅からはコカインや大麻も見つかっている。捜査関係者などによると、中村容疑者は過去に大麻取締法違反(所持)容疑で摘発された経歴もあるという。

 小森弁護士によれば、薬物使用者には特定の薬物を使い続けるタイプと、種類にこだわらない「多剤乱用型」に分けられる。「多剤乱用型は『いろいろなものを試してみたい』と、カクテル感覚でさまざまな薬物に手を出す。大麻にコカインの粉を振りかけて使用する例も多い」(小森弁護士)のだという。

 ■分別盛りの59歳 「ヤケ酒型」で薬物使用?

 今回の事件は、59歳という中村容疑者の年齢にも注目が集まった。中村容疑者は「疲れ」を動機としてあげたが、実は中高年による薬物事件は少なくない。

 小森弁護士によると、全国で覚せい剤取締法違反で逮捕された被疑者の数は、20代が減少しているのに対し、50代以上は毎年1500人程度で高止まりを続けている。このうち初犯は300人程度と、再犯率が高いのも特徴だ。

 平成3年には、俳優の故勝新太郎さん=当時(59)=が麻薬取締法違反などの疑いで逮捕されたほか、5年には角川書店元社長=同(51)、19年と20年にはトンボ鉛筆の元会長=20年当時(60)=が相次いで薬物事件で逮捕されている。

 小森弁護士は、薬物使用に走る動機を(1)興味本位で使う『好奇心型』(2)長距離トラックの運転手が眠気を解消するために使ったりする『職業型』(3)よほどショックなことがあって手を出してしまう『ヤケ酒型』−の3つに分類し、こう指摘するのだ。

 「あれだけ芸能界の薬物事件が問題となっているときに、分別盛りの年齢の人間がいきなり薬物を使うというのは『ヤケ酒型』の可能性が考えられる。悩みや孤独感があっても周囲に打ち明けられなかったのではないか。原因となる問題に正面から向き合わなければ、根本的な解決にはならない」

 一方、元関東信越厚生局麻薬取締部捜査1課長の小林潔氏は「若者であれば将来を考えて自制心や更生への意欲がわくが、年齢の高い依存者ほど周囲の支援者も少なく、薬物を断ち切るのは難しい。70歳ぐらいの依存者もざらにいる」と警告する。

 「ファンに申し訳ない。会社にも迷惑をかけてしまった。もう二度としない」

 中村容疑者の弁護人によると、中村容疑者は留置施設でこう繰り返し、時折涙ぐむこともあるという。

 逮捕報道を受けてか、動画投稿サイト「YouTube」では、「何も言えなくて…」の再生回数が約30万回近くに上っている。

 そこには、ファンからのこんなコメントが並んでいた。

 《早く帰ってこいよ、待ってるからさ》

 《また素晴らしいうたを聞かせてください》

 《夏になると毎年この曲を思いだします。負けずに頑張ってほしい》

 《もうすぐ還暦だろ…麻薬から、立ち直る姿をみせてくれ。還暦でも立ち直れる姿を…》

 薬物を克服し、再び“アラ還の星”となれるか。多くのファンが見守っている。

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2010年03月18日

運転再開近づく「もんじゅ」 ナトリウム漏れに対策(産経新聞)

 ■12年度中の本格運転目指す

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運転再開が近づいた。発電しながら燃料が増えていく高速増殖炉は、資源が乏しい日本のエネルギー政策の切り札。運転再開を前に「夢の原子炉」の概要を、おさらいしておこう。(伊藤壽一郎)

 もんじゅは、1995(平成7)年12月のナトリウム漏れ事故以来、14年以上も運転を停止。国の原子力安全・保安院が先月、運転再開を認め、日本原子力研究開発機構(原子力機構)は地元の福井県と敦賀市の同意を待って、年度内(今月中)の運転再開を目指している。

 一般的な原子力発電所の軽水炉では、燃料にウランを使う。核分裂を起こしやすい「燃えるウラン」(ウラン235)は天然ウランの0・7%で、残りは「燃えないウラン」(ウラン238)だ。燃えるウランの割合を3〜5%に高めたウラン燃料に、スピードが遅い熱中性子をぶつけて核分裂を起こさせる。

 一方、高速増殖炉では、軽水炉に残ったウランやプルトニウムなどを加工したMOX(混合酸化物)燃料を使う。これに、スピードの速い高速中性子を衝突させることで、プルトニウム239に核分裂を起こさせる。このとき発生した中性子をウラン238が吸収すると、プルトニウムに変わる。原子力機構は「もんじゅでは、核分裂した量の1・2倍のプルトニウム239ができあがる」と、増殖の仕組みを説明する。

 同じ反応は軽水炉でも起こるが、核分裂時に放出される中性子の数が少ないので増殖はしない。高速増殖炉とは「高速中性子による(燃料)増殖炉」のことなのだ。

 軽水炉と高速増殖炉は、冷却システムも違う。軽水炉は原子炉の熱を水に伝え、沸騰した蒸気でタービンを回す。これに対し、高速増殖炉では、原子炉に直結した1次冷却系と原子炉格納容器の外へつながる2次冷却系にナトリウムを使う。水を使うと中性子の速度が落ち、プルトニウムを増殖できないからだ。

 ナトリウムは熱伝導効率に優れ、沸点が高い(881度)ので配管を高圧にする必要がないという利点もある。しかし、「水や酸素と激しく反応して燃え上がるため取り扱いが難しい」のがアキレス腱(けん)で、95年の事故では、2次冷却系配管の温度計が破損。ナトリウム約640キロが漏れ、火災が発生した。

 原子力機構は、ナトリウム漏洩(ろうえい)対策強化を軸にした改造工事を2005年9月に開始し、07年8月に完了した。

 温度計の構造を改良したほか、万一、配管などからナトリウムが漏れたときに受け止めて外部へ影響を及ぼさない受け皿容器の設置。「原子炉は漏洩時に停止するが、冷やし続ける必要がある。ナトリウムをきちんと受け止める容器があれば、冷却系を止める必要がなく、炉心の“空だき”を避けられる」(原子力機構)という。

 原型炉であるもんじゅの運転が再開されれば、約3年かけて性能試験を行い、12年度中に出力28万キロワットの本格運転に移行したい考えだ。本格運転では約10年間かけて信頼性を実証し、ナトリウム取り扱い技術を確立する。

 国は原子力政策大綱で、25年ごろに50〜75万キロワットの実証炉を実現して、50年までに150万キロワットの実用炉(商用炉)を開発する道筋を立てている。MOX燃料を軽水炉で燃やすプルサーマルとともに、エネルギー政策の両輪となる位置づけだ。

 原子力機構は「高速増殖炉は、エネルギー資源の有効活用とともに、二酸化炭素の排出抑制に貢献する。地元や国民の理解を得ながら、もんじゅの運転を進めていきたい」と話している。

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